2022年のドラゴンズに珍事が襲っています。
非得点圏打率.253(12球団トップ)
得点圏打率.222(12球団ワースト)
チャンス以外では打てるのに、チャンスは打たない。
2021年の打線とは違ったモヤモヤ…
2021年の『歴史的貧打打線』についてはこちら
今日はドラゴンズが欲してたまらない
チャンスに強いバッター
についてまとめます。
チャンスに強いはオカルトなのか?
実在する派の意見
・チャンスで打者の集中力が上がる
・ピンチで投手が慌てる
実在しない派の意見
- ピンチでの守備位置が影響しているだけ
(前進守備だと、守備範囲が狭い) - 投手が投げる球が限られるだけ
(3塁にランナーがいると落ちる球が投げない) - 内野安打の確立が下がっているだけ
(満塁ならどこへ投げてもアウトになる) - ピンチの時に本気を出す投手がいる
(菅野投手や田中将大投手)
これらの要素が絡み合った結果なだけという意見です
チャンスとは?得点圏打率で評価していい?
得点圏打率の考え方
野球でいう「チャンス」とは
得点圏にランナーがいる場合での打席のこと
です。
得点圏打率は欠陥指標?
得点圏打率は母数が少ないです。
一試合で1回歩かないかのチャンスで、打撃成績が変わってしまうんです。
少ない機会のなかで
「今年は良かった」「悪かった」
と言っても、その選手の本当の勝負強さというのはわかりません。
これならサヨナラで打ってほしいです!
WPA(ダブリュ・ピー・エー)の方がチャンスを評価している
WPAとは
(画像はこちらから)
グラフの線が赤くなっている部分が、2021年9月30日のロッテ戦でT-岡田の逆転3ランのシーンです。本塁打が出る前の「2点ビハインド」「9回表」「2アウト」「一三塁」の状況における勝利確率はわずか8.5%だったのに対し、本塁打が出た後の「1点リード」「9回表」「2アウト」「走者なし」の状況では、勝利確率は79.7%
勝利確率を8.5%から79.7%に上昇させたため、差分の0.712
このポイントを加算していくことで、WPAを求める。
WPAランキングでも見る チャンスに強い打者
1位 柳田悠岐(ソフトバンク)8.24
2位 浅村栄斗(楽天)4.90
3位 吉田正尚(オリックス)4.85
4位 青木宣親(ヤクルト)4.24
5位 レオネス・マーティン(ロッテ)4.11
6位 岡本和真(巨人)4.09
7位 山川穂高(西武)3.53
8位 丸佳浩(巨人)3.50
9位 鈴木誠也(広島)3.35
10位 西川遥輝(日本ハム)3.07
興味深いのはこのシーズンパ・リーグで打点王に輝いた日本ハムの中田翔内野手がトップ10の圏外になること。中田選手のWPAは0.66で34位。リーグワーストの19併殺したため、プラス面を相殺してしまっている。
WPAの方がチャンスを正確にとらえています。
ゲッツーを打たないバッター
⇒フライ傾向・俊足・左打者はWPAが高くなる
より公平な指標としての「Clutch」
WPAにも欠陥があります。
打力のあるチームに所属しているってだけで、いい数値が出やすくなる
ということです。ランナーがたまっている場面で打たないと上がりませんからね。
そういった不公平さをなくしたものが
「Clutch」
です。
「Clutch」でみるチャンスに強い打者
1位 柳田悠岐(ソフトバンク)2.02
2位 高橋周平(中日)1.88
3位 山川穂高(西武)1.69
4位 栗原陵矢(ソフトバンク)1.36
5位 ジェリー・サンズ(阪神)1.22
6位 茂木栄五郎(楽天)1.17
7位 吉川尚輝(巨人)1.09
8位 安田尚憲(ロッテ)1.09
9位 ホセ・ロペス(DeNA)1.08
10位 ダヤン・ビシエド(中日)0.98
「得点圏打率」「WPA」「Clutch」に総じて言えること
これらの打撃指標に通じて言えることは
チャンスでの打撃成績の不安定さ
翌年には全く使用できない数字になっています。
実際にペーニャ選手は打率こそ大差ありませんが、突然チャンスで打てなくなりました。
まとめ
・得点圏打率はチャンスを曖昧にとらえている
・チャンスでの打撃成績は信頼できない
・併殺打を打つ選手はチームの勝利に寄与しにくい
ドラゴンズがチャンスで弱いのは
ドラゴンズでも中軸を打つ「ビシエド選手・阿部選手」は併殺打が多い傾向にある選手です。
ビシエド選手:併殺打セリーグ1位
阿部選手:併殺打11位
併殺打はWPAを大きく下げてしまいます。
中軸を打てる選手に併殺打が少ないタイプを配置
することが解決への一歩かもしれません。
野球データについて
敬遠した方がマシは本当か?
チャンスに強いバッターは存在するのか?
OPSについて勘違いしないでほしいこと
なぜ送りバントが消えないのか?
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