国内FAの取得年数変更
FA制度&人的保証制度の変更について
2023年7月19日 フリーエージェント(FA)権の取得年数6年に短縮することを要求
- フリーエージェント(FA)権の取得年数を国内(現状は1軍登録145日で8年・大学社会人出身者は7年)、海外(9年)一律で6年に短縮することも要求
- 特筆すべきは海外FA権の取得期間の短縮案。現状よりも3年も短縮したい選手会の視線の先にあるのは条件面の日米格差。2023年度の日本プロ野球の年俸総額は319億128万円で平均年俸は4468万円。ところが2023年の3月に発表された大リーグの2022年度の年俸総額は約6217億円で、平均年俸は約5億7500万円。年俸総額では約20倍、平均年俸でも約10倍以上の差がある。
- さらに懸念は日本プロ野球界に在籍する外国人選手の国内FA権のことだ。現状では出場選手登録日数が145日を満たしたシーズンが8年に達した外国人選手は、翌シーズンも日本球界でプレーすると外国人枠の対象外となる。過去にFA権を獲得して〝日本人選手〟扱いとなった選手にタフィ・ローズ、アレックス・ラミレス、アレックス・カブレラ、ランディ・メッセンジャー、ウラディミール・バレンティンらがいる。彼らは日本プロ野球界で9年目にして、外国人枠から外れた。
2022年12月23日 月に1度の定例会議へ
- プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)による保留制度改革に関する特別委員会が選手会の要望を受け、初めて開催
- 新たに特別委員会を設け集中的に議論する
- 全選手に選手主導での移籍の選択をできるようにしていきたい
- 月1回のペースで開催していく予定
- この日は選手は不参加だったが、次回以降は選手も参加していく予定
2022年12月5日
- フリーエージェント(FA)権の取得年数の短縮、人的補償の撤廃を求めていく方針
- 国内も海外も6年での統一を目指す
- FA移籍に伴う人的補償の撤廃も求めていく
選手会は相変わらずFA期間が短縮することを求めています。
2022年7月25日 FA制度について選手会が要求
- 国内/海外FAを一律に扱う
- 6シーズンでの取得
- 補償制度の撤廃
- 登録日数カウント方法の追加
しかしながら、FA制度改革を巡る球団と選手会の隔たりは大きくすぐにFA制度が変更されるわけでは無さそうである。
そもそもFA宣言って?
FA権を取得するためには一定期間一軍登録される必要があります。海外FA権取得は9年。国内FAは『2007年以降の高卒選手』で8年、『2007年以降の大卒、社会人卒』で9年が必要です。
試合出場数だけでなく、1軍に登録された日数でカウントします。
ドラフト年・出身 | 国内FA | 海外FA |
2006年以前・高卒 | 8年 | 9年 |
2006年以前・大卒、社会人卒 | 8年 | 9年 |
2007年以降・高卒 | 8年 | 9年 |
2007年以降・大卒、社会人卒 | 7年 | 9年 |
FA権の取得条件:1軍の在籍年数について
セ、パ各リーグの年度選手権試合期間中に145日以上出場選手登録されたシーズンを1シーズンとして計算する。
シーズンのおよそ4分の3以上1軍に登録されていれば1シーズン分になる計算です。
↓FAについてはこちら
人的保証制度とは?
FA宣言について
FA宣言とは、プロ野球選手が所属する球団以外の球団と自由に契約交渉出来る権利の事です。
以下の条件を満たす事で他球団と自由に契約交渉する事が出来ます。
・2007年以降のドラフトで入団した大学生、社会人選手が、一軍登録期間1015日以上の場合。
1シーズンが145日の計算なので、国内FAの権利を得るためには、実質7年(145日×7シーズン)以上、一軍登録し続けないと発生しないのです。
FA宣言のできる選手は大体が球団に大きな貢献をしています。
人的保証ってなに???
FA宣言選手が他球団に移籍した場合、移籍先球団は旧球団に対して補償制度として「人的補償」および「金銭補償」をしなくてはいけません。
移籍先球団は、旧球団に対して人的補償が発生するため、プロテクトという制度で、手放したくない選手を囲い込む権利が与えられています。もしプロテクトがないとチームのエースが引き抜かれることになりますね…
※FAにはランクがあり、Cランクの場合は「金銭」「人的」保証は発生しません。
FA制度の変更でプロ野球はどう変わる?
- FA権を取得している選手の増加(FA宣言の増加)
- 海外FAの取得年数減少による選手の海外流出
- 人的保証制度廃止によるFA宣言選手の獲得増加
⇒球団間の選手の動きが活発化
⇒より金銭的に余裕がある球団に選手が集まりやすくなる。
結論
選手会の思いと、球団側の思いがまったく一致していないためなかなかすぐには制度は決まらないでしょう。しかし選手のより良い待遇のため、よりよいプロ野球のため選手の移動が増えていることは喜ばしいことだと思います。
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