【野球】ポスティングシステムについて
近年プロ野球で聞かれるポスティングシステム海外移籍の際に使用するものという印象はありますが、その仕組みについてはいまいち不明なところもあります。
- 元バンテリンドームスタッフ
- 統計学/セイバーメトリクス専攻
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- 最高月間30万PV (上位0.1%)
この記事を読んでわかること
- ポスティングシステムの取得条件
- ポスティングシステムのメリット
- ポスティングシステムと海外FAの違い
ポスティングシステム(入札制度)の基本ルール
選手が海外移籍を希望する際に使う権利
ポスティングシステムとは選手が海外移籍を希望する際に使う権利のことです。
選手告知(ポスティング)をするかは、所属球団が決定可能
選手告知(ポスティング)をするかは、所属球団が決定可能です。先ほどは、選手が海外に移籍をするための資格といいましたが、その決定権は所属球団が有しています。
そのため、選手がポスティングシステムを使用しようとしてもしょぞ球団が拒否をすれば、ポスティングすることができません。
ポスティングを拒否した球団は?
ポスティングを拒否する球団はソフトバンクホークスです。その他11球団については臨機応変に対応です。
ホークスがポスティングシステムを拒否する理由としては
- ホークスは世界一強い球団を目指している
- 親会社の資金力が豊富
- 全盛期の選手を手放さない
- 海外に行きたければ、自力で海外FA権を獲得可能
所属球団は交渉権の対価の譲渡金を獲得
2018年からは契約金に対して譲渡金が発生する仕組みです。選手は多くの球団と交渉することが可能です。
- 2500万ドル以下はその金額の20%
- 2500万~5000万ドルはその金額の17.5%
- 5000万ドル以上はその金額の15%
⇒総額が4000万ドルの契約だった場合、700万ドルが所属球団に支払われることになります。
~2017までのルールとの違い
~2017年までは、移籍元球団が上限2000万ドルの譲渡金を設定し、その譲渡金に応札した球団が選手と交渉を行っていました。2000万ドルを支払えない球団は対象選手と交渉するのを禁止!
⇒資金力で劣る球団は初めから交渉の席に着くことできない
申請期間は球団は11月1日~12月5日
ポスティング移籍を希望し球団と合意したら、球団は11月1日~12月5日の間に、ポスティング権利を行使を宣言する必要があります。通知の翌日から30日間の交渉期間が設けられます。
譲渡金は移籍先の球団との契約内容で決定し、最大で2500万ドルを獲得可能
ポスティングシステムは契約金に対して譲渡金が発生する仕組みです。選手は多くの球団と交渉することが可能です。
- 2500万ドル以下はその金額の20%
- 2500万~5000万ドルはその金額の17.5%
- 5000万ドル以上はその金額の15%
出来高払いに対しても譲渡金の支払い義務
契約金とは別に、各年度ごとに出来高払いの15%を移籍元球団へ支払われます。移籍年だけでなく、数年間も獲得金をいただくことが可能なようです。
大型契約を避ける傾向に
- 前田健太8年
- 田中将大6年
- ダルビッシュ有6年
というように、かつては大型契約が主流でした。しかし契約金を抑えることで、元所属球団への出費を抑えることができます。日本球団にとっては痛手ですね
ポスティングシステムと海外FAの違い
FA権ってなに??となる人はこちら
ポスティングシステムのメリットデメリット
ポスティングシステムのメリット
- 所属球団は獲得金を得ることができる
- 選手は権利行使に条件不要
- 海外球団に若い年齢から挑戦できる
ポスティングシステムのデメリット
- 所属球団が権利行使の決定権をもつ
- 選手は契約金の一部を球団に支払う
- 出来高契約の一部を球団に支払う
吉田正尚、Rソックスと5年123億円で契約合意
オリックスからポスティングシステムを利用した吉田正尚外野手について、レッドソックスと契約合意した。5年9000万ドル(約122億6900万円)の大型契約で、譲渡金は1540万ドル(約21億円)。計1億540万ドル(約143億6800万円)の契約となる。
歴代のポスティングシステムの使用者と移籍先
契約年度 | 選手名 | 所属球団 | 移籍先の球団 | 獲得金 |
1998年 | アレファンドロ・ケサダ | 広島東洋カープ | シンシナティ・レッズ | 40万1ドル |
2000年 | イチロー | オリックス・ブルーウェーブ | シアトル・マリナーズ | 1312万5000ドル |
2001年 | 石井一久 | ヤクルトスワローズ | ロサンゼルス・ドジャース | 1126万4055ドル |
2002年 | ラモン・ラミーレス | 広島東洋カープ | ニューヨーク・ヤンキース | 30万50ドル |
2003年 | 大塚晶文 | 中日ドラゴンズ | サンディエゴ・パドレス | 30万ドル |
2004年 | 中村紀洋 | 大阪近鉄バファローズ | ロサンゼルス・ドジャース | 非公表 |
2005年 | 森慎二 | 西武ライオンズ | タンパベイ・デビルレイズ | 75万ドル |
2006年 | 松坂大輔 | 西武ライオンズ | ボストン・レッドソックス | 5111万1111ドル11セント |
岩村明憲 | 東京ヤクルトスワローズ | タンパベイ・デビルレイズ | 450万ドル | |
井川慶 | 阪神タイガース | ニューヨーク・ヤンキース | 2600万194ドル | |
2010年 | 西岡剛 | 千葉ロッテマリーンズ | ミネソタ・ツインズ | 532万9000ドル |
2011年 | 青木宣親 | 東京ヤクルトスワローズ | ミルウォーキー・ブルワーズ | 250万ドル |
ダルビッシュ有 | 北海道日本ハムファイターズ | テキサス・レンジャーズ | 5170万3411ド | |
2013年 | 田中将大 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | ニューヨーク・ヤンキース | 2000万ドル |
2015年 | 前田健太 | 広島東洋カープ | ロサンゼルス・ドジャース | 2000万ドル |
2017年 | 大谷翔平 | 北海道日本ハムファイターズ | ロサンゼルス・エンゼルス | 2000万ドル |
牧田和久 | 埼玉西武ライオンズ | サンディエゴ・パドレス | 50万ドル | |
2018年 | 菊池雄星 | 埼玉西武ライオンズ | シアトル・マリナーズ | 契約内容に依存 |
2019年 | 筒香嘉智 | 横浜DeNAベイスターズ | タンパベイ・レイズ | 契約内容に依存 |
山口俊 | 読売ジャイアンツ | トロント・ブルージェイズ | 契約内容に依存 | |
2020年 | 有原航平 | 北海道日本ハムファイターズ | テキサス・レンジャーズ | 契約内容に依存 |
2021年 | 鈴木誠也 | 広島東洋カープ | シカゴ・カブス | 契約内容に依存 |
※2018年からは契約金に対して譲渡金が発生する仕組み
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